米中日の報復におびえる韓国 2019/6/9

韓国経済

韓国は国内外で四面楚歌(そか)の状態となっている。(略) 

 国外の状況はどうだろうか? ただでさえ経済が厳しい状態なのに、何をどう間違えたのか、四方八方から「韓国に報復する」という声ばかり寄せられている。中国、日本、そして北朝鮮すら報復を警告している。 

 米国は中国の覇権挑戦を振り切るため武器を手にした。貿易戦争から技術戦争、そして為替レート戦争へと戦況は拡大する一方だ。グーグルやインテルなどの各米国企業は、中国ファーウェイ(華為技術、Huawei)社との取引中止を発表し、同盟国の各企業がそれに追随している。中国は対米抗戦で総動員令を下した。「米国が推進する『反ファーウェイ』の動きに韓国が賛同するなら、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)報復のような大規模報復措置を取る可能性がある」と圧力を加えてきた。韓国は「ファーウェイ問題が飛び火するのではないか」と戦々恐々としている。韓国が「反ファーウェイ」に賛同すれば、ある程度の中国の報復は避けられないだろう。だが、かつてのTHAAD報復措置の経験から、中国の報復は思ったより限定的なものだと考えられる。まず、THAAD報復騒動があれだけ大きかったのにもかかわらず、対中貿易は14%増加した。韓国の対中輸出は、そのほとんどが中国の産業に不可欠な部品素材だ。韓国はファーウェイの通信機器を買うが、ファーウェイはそれ以上に韓国製部品を買わなければならない構造だからだ。しかも、米国企業はもちろん、日本、英国、台湾など多くの企業が「反ファーウェイ」に賛同しており、事実上、韓国製以外の代替製品を見つけるのは難しい。また、世界有数の企業がすべて賛同している状況で、韓国だけ報復するのも難しい。今回の事態は、人工知能(AI)や5Gなど未来成長動力を左右するデジタル・プラットフォーム競争で中国に圧倒されていた韓国企業にとって、ひょっとすると千載一遇のチャンスとなるかもしれない。 

ファーウェイ社の報復よりも韓国経済にとって致命的な脅威となるのは日本の報復だろう。中国の報復は市場を失う危険があるが、日本の報復は韓国産業界の急所を脅かす。韓国大法院(最高裁判所)が昨年出した強制徴用被害者への賠償判決後、韓日関係は国交正常化以降で最悪の状況にある。強制徴用問題は1965年の韓日基本条約で両政府が最終的に解決した事案だ。韓国大法院の判決は、条約に明記されていることを覆したものだ。当然、日本は強く反発している。ところが、驚くべきなのは、「大法院判決には関与できない」という理由で、韓国政府が日本の対話提案に応じず、8カ月近く傍観しているということだ。その間、被害者たちは法的手続きを踏んで韓国国内にある日本企業の資産を差し押さえたし、日本政府は自国企業の差し押さえ資産が売却されれば外交保護権を発動して報復に出る構えだ。日本の報復が現実のものとなれば、日本の装備や材料に依存している韓国の主力製品である有機発光ダイオード(OLED)、スマートフォン、半導体生産のすべてが「まひ」する。また、金融措置により国の信頼度が下がり、韓国経済に大きな打撃を与える可能性がある。 

 北朝鮮は「差し出がましいことをするな」と韓国に対して非常に怒っている。先月、「不詳の発射体」を発射し、年末ごろには「衛星発射体」を発射するものと思われる。これが北朝鮮の報復だ。そうなれば、米国は北朝鮮に対する制裁を強め、金融制裁に入るだろう。国連制裁決議案に反して先日、北朝鮮産石炭数十万トンが違法に韓国に持ち込まれ、韓国の精製油数十万トンが北朝鮮に違法に持ち出されたとされる。米国の対北朝鮮金融制裁が発動すれば、韓国企業や金融機関が「セカンダリー・ボイコット」の対象になるのではないかと懸念されている。 

 まさに四面楚歌で孤立無援だ。こうした状況になるまで誰も腰を上げなかった。予防外交も、危機管理もなく、放置と言っていい。このまま行けば下方局面の韓国経済は致命的な打撃を避けられなくなる。まず報復を防ぐのが上策だ。「そんなことはないだろう」という楽観を捨て、最善を尽くさなければならない。報復を望む人はいない。報復をする側も大きな損をする。だが、韓国が立ち上がらなければ報復を止める名分はない。放置状態を脱して危機管理のため総力戦を展開する必要がある。 

尹徳敏(ユン・ドクミン)韓国外国語大学碩座(せきざ)教授・元国立外交院長 

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/06/07/2019060780135.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/06/09 06:08

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