中国はなぜ旭日旗に寛大なのか? 2019/4/28

旭日旗

中国人民解放軍海軍創設70周年をむかえて国際海上閲兵式が開かれました。霧で覆われたその日、青島(チンタオ)近海では中国の最新鋭海軍戦力はもちろん、我が国をはじめとする様々な国家の艦艇も閲兵式に参加しました。日本海上自衛隊護衛艦「すずつき」もそのうちの一つでした。 

「すずつき」は閲兵式開始以前からメディアの関心を集中させました。閲兵式二日前、青島港入港時に艦尾に日本帝国主義の象徴である旭日旗がはためいたからです。 
(中略:韓国の国際観艦式で自衛隊が参加拒否) 

関心の焦点は私たちと同じように日帝に侵略された過去のある中国がなぜ日本艦艇の旭日旗掲揚を特別に(?)許したのかに集まりました。最近、米国と葛藤をかかえた中国が日本との関係改善のために度量が大きな譲歩(?)をしたという報道が続きました。 

ここで基本的な疑問がわきます。中国は本当に日本艦艇の旭日旗を特別に許したのでしょうか?「特別な許容」ということは過去に前例がなかったという前提が必要です。実際、1945年日本帝国主義崩壊後、日本海上自衛隊艦艇が中国の港に入港した事例は今回の場合に先立ち2008年と2011年の二度ありました。メディアはこの二度とも日本艦艇が旭日旗をおろして中国の港に入港したと報道しました。この様な前提ならば今回の青島入港は中国が特別に旭日旗掲揚を許したというのが正しいでしょう。これを土台に、なぜそうしたのかという分析記事も無理がないように見えます。 

しかし、結論から言えば、この報道は事実と違います。まず2008年。日本海上自衛隊所属駆逐艦「さざなみ」号が中国広東省湛江港に入港しました。中国四川省で発生した大地震救護物資をのせて5日間湛江港に留まりました。その時、当時の日本放送会社が撮影した画面を調べると、さざなみ号に旭日旗がはためく姿が鮮明に捕えられています。 

二番目の2011年。護衛艦「きりさめ」号は今回と同じ青島港に5日間留まりました。当時の映像は検索が難しかったですが、代わりにきりさめ号入港後の行事写真を探して確認したところ、やはり艦艇の上にはためく旭日旗を発見できました。 

すなわち日本海上自衛隊艦艇は2008年も2011年も旭日旗を付けたまま中国の港に入港したという事です。従って旭日旗をおろして入港したという報道は最小限のファクトチェックもしなかった誤報だということです。 

特別に許容したという前提の下に書かれた日本との関係改善のための努力の一環という分析も的はずれになってしまいました。北京のある消息筋は「日本海上自衛隊艦艇が過去に旭日旗をおろして入港したという報道は香港メディアで一番最初に見た」と伝えました。その誤った記事を中国報道機関と日本メディアを経て韓国メディアまでそのまま引用したと推定されます。日本海上自衛隊の立場では自発的に旭日旗をおろす理由がありません。当然、中国政府が旭日旗掲揚をただ一度も問題にしなかったという事です。 

それではなぜ中国は日帝侵略の象徴である旭日旗にこのように寛大なのでしょうか?中国国民もこのように寛大な政府方針に同意するのでしょうか?当然そうではありません。メディアの自由が制限された中国社会の特性上表面に多くあらわれませんが、ウェイボなどを見れば旭日旗を叱責する内容が多いのです。今回も旭日旗に対する批判世論は少なくありませんでした。特に青島は1914年日本軍が青島市に無差別爆撃を加えて占領した辛い歴史がある所です。この様な歴史的傷痕がある青島に日本海上自衛隊船が旭日旗を前面に出して入港するのは話にもならないという意見が多かったです。 

中国政府もこの様な世論を知っていますが、旭日旗に対する公式の立場を出したことはありません。今回も中国が日本の旭日旗を特別に許容したという報道が続いたのに、これを認めることも、否認することもありません。文字通り無対応です。 
(中略) 

この様な状況で中国社会のある有力要人が日本旭日旗を問題にしてはいけないという公開文を載せました。環球時報総編集長の胡錫進がその人です。 

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▲(左)胡錫進環球時報総編集長。(右)胡錫進がアップした公開記事キャプチャー 

胡錫進総編集長は「日本艦艇が旭日旗を掲揚して中国の港に入ってくるのは正常」と主張しました。彼は「中国はすでに列強の侵略を受けた侮辱のページをめくったし、今はかえって彼らが中国の前で小さい国家になった」としました。「日本もすでに中国がすべての面で越えたので日本に対する感性をリセットする時になった」と主張しました。 

胡錫進は昨年の済州観艦式にも言及しました。韓国海軍が日本に旭日旗をかけるなと要求したことに対し「韓国が相変らず日本より弱いためであり、中国がこれを参考にする意味がない」と妄言を吐きました。商業的民族主義指向が強い環球時報総編集者の主張に同調するコメントもありましたが、叱責するコメントも多かったです。 

「悪は悪で、黒色は白色に変わらない」という話から「過去に犠牲になった中国国民を堪え難くするな」という指摘が続きました。「ドイツがイスラエルを訪問する時、ナチ国旗をかかげて歩いてもかまわないのか」という反問もあって、「旭日旗に反対するのは度量が大きいか、大きくないかの問題ではない」という批判も提起されました。 

個人的には胡錫進の妄言に近い発言が正しいのか、正しくないかの問題より中国社会主流の過去の歴史認識の内心をのぞいた様な感じがします。私たちと同じように日本帝国主義侵略を受けた傷を持っているにもかかわらず、中国はこれを認識する方式が私たちと違うと点を確認したわけです。日本艦艇の旭日旗に対する中国政府の無対応もこの様な基底から出るのではないのか憂慮されます。

チョン・ソンヨプ記者 

ソース:SBSニュース(韓国語) [取材ファイル]中国はなぜ旭日旗に寛大だろうか? 
https://news.sbs.co.kr/news/endPage.do?news_id=N1005242171

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