韓国統一研究院HPからこっそり消えた「北朝鮮人権白書」 2019/6/11

 韓国統一研究院が毎年発行している『北朝鮮人権白書』の2019年版公開が遅れている。白書が実務者のミスによりウェブサイト上で「サプライズ公開」され、その後こっそり姿を消すというハプニングも起きた。北朝鮮関連の人権団体の間からは「韓国政府が北朝鮮との対話再開を試みていることを考慮して、発表の時期を遅らせているのではないか」という声も上がった。統一研究院は1996年から毎年『北朝鮮人権白書』を発行してきた。 

 同研究院は、最近韓国入りした脱北者135人を詳細に面接した結果などを基にして、今回の白書を制作したといわれている。脱北をあっせんしたり韓国にいる家族と電話をしたりしたという理由だけで政治犯収容所に送られたという証言が収められ、裁判を経ない死刑執行が依然繰り返されているという内容も含まれていた。こうした内容は、白書が今月7日に同研究院のウェブサイトに掲載された後、韓国内外の複数のメディアによって報じられた。 

 ところが報道の直後、同研究院は特に説明もないまま白書をウェブサイトから削除した。10日午後の時点で、公開はされていない。統一研究院の関係者は「校正が完了していない原稿が実務者のミスでアップされた。校正を終え次第、再度アップロードする計画」と語った。 

 崔鎮旭(チェ・ジンウク)元統一研究院長は「研究院としては、北朝鮮の劣悪な人権状況を整理した冊子を積極的にPRできず、かといって白書を出さないということもできない状況だろう。静かに発行しようとしたがメディアに知られ、困り果てているようだ」と語った。実際、同研究院は、白書の発行に関して特に記者会見や報道資料配布などを計画していないといわれている。 

 苦労して作り上げた白書を隠そうとするかのような同研究院の態度を巡って「北朝鮮の顔色を見ている」という指摘もなされている。2015年から17年までは人権白書の発行に先立ち記者会見を行ってきた統一研究院だが、昨年からは発行の事実を伝える報道資料すら出さなくなった。関心を持ってわざわざ同研究院のウェブサイトを調べてみないと、白書を見つけるのは難しい。 

 逆に、韓国政府が推進の意思を表明している「北朝鮮向け食糧支援」に関しては、先月30日に政策討論会を開くなど積極的に世論づくりに乗り出している。北朝鮮人権団体の関係者は「国策研究機関が研究活動さえも政権の意向に合わせている」と語った。 

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/06/11/2019061180022.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/06/11 10:01

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